アルファロメオ スパイダー 74年型

車の顔写真

今から10年以上前、私たちが子供の頃、当時からカッコいい車にあこがれたものでした。
免許証を取得できるようになる少し前、おきまりのように車好き(?)少年たちが集まってのお話は、好きな車、あこがれの車にたいしての少ない情報を頼りの、今思えば顔が赤くなるような幼稚なお話でした。

その頃、私の欲しい車は、「真っ赤なスポーツカー」でした。
この「マッカ・・・」というのが実はくせ者でして、ある時はトライアンフであり、またあるときはMGでした。友達の多くは、ポルシェ、ベンツ、ジャグワ(この呼び方はあとで知った)、すごいのに至ってはフェラーリとかロータスでした。

そんな状況の中で、私は幸運にも1975年の3月に、「アルファロメオ」を手に入れることができました。GT 1300 Junior 真っ赤。
ところが、それだけで済めば、このコーナーはなかったのです。調子にのって続きがあったのです。

楽しい時代、のんびりとした時代を経験してきた一人の「自動車好きのおじさん」が、苦楽をともにしてきた大好きな「自動車」の夢物語を並べてみようと思います。


ALFAROMEO Spider 1974

スパイダー 1986年2月9日。心うかれる記念すべき日。
一年かけて交渉していた「スパイダー」を受け取りに、4歳になったばかりの娘を連れて、女房と3人で名古屋まで新幹線に乗って出かけました。
元々、鉄道に乗ったことが少ない私は、「新横浜」を通過する頃から、窓ガラスに顔を押しつけて、外を見てはしきりに珍しがって感激していたのを覚えています。

静岡を過ぎる頃からの窓の外の風景の移り変わりは、列車のスピードが速いせいか、ことさらに印象的でした。 目的地の「名古屋駅」に到着。車では何度か行ったことのある名古屋も新幹線では初めてで、約束の「ターミナルホテル」のロビーまで、楽しい旅ができました。
待ち合わせの時間にまだ少々余裕があったので、名物の「きしめん」を食べてみました。 「うん、うまい!」と言いながら妙に納得していたように覚えています。

車の「売り主」は、石川県金沢市に住んでいる「金村さん」という方で、私より少々お若い建築関係の設計をなさっている方、とお聞きしていたので、「インテリ風」の人を想像していましたが、ごく普通の「くるま好き」の人(失礼)でした。
先方も大切にしてきた車と別れるので、奥さん同伴でやってきていました。ホテルの喫茶コーナーで、軽い食事とお茶をいただきながら、しばしの談笑をいたします。
「さて、それでは」と見ると、持参した小切手の、打ち込んである金額に桁違いが発見されました。「ありゃりゃ」です。「せっかく来たのだから」と、持参した現金と「帰宅したらすぐに、振り込みします」と言う約束を交わして、車を受け取って別れることにしました。それにしてもまことに「うっかりな出会い」でした。

「元オーナー」のご夫婦に見送られてホテルの駐車場をでます。
さて、いつものように「中央高速のインター」を目指します。うっかりには続きがありました。この時期「中央道」は雪が多いのです。心配していたとおり「恵那市」にさしかかった頃、フロントガラスにはミゾレが。元々雪国の金沢で使用されていた車でなので、埼玉に帰ったら返す約束のスノータイヤとチェーンが準備してあります。とは言っても初めての車で、しかも相当に古い。さらに夜中で、そして外は寒い。一度だけ小さくミスファイアし、アクセルベダルのレスポンスが抜けたのが気になったけれど、無事、我が家に帰り着きました。

じつは、帰りの中央道での「ミスファイア」が、この後のテストドライブ中のトラブルと関連していたのです。 自宅に車を持ち帰り、「残り1週間」の車検があるうちに、と、いろいろ不都合を洗いだす作業がすぐに始まります。
夜毎、車好きの仲間を誘って「状態を確認するため」のテストドライブに出かけます。寒い季節なので、なにかあるともう大変。夜中の2時頃、3回ほど止まりました。動かなくなるのはいつも夜中でした。そのうちの1回は、とうとう自力では帰着できずに、2時30分頃、女房を電話で起こし、牽引してもらいました。本当に寒かった。

イタリア車オーナーの「トラブル自慢」の仲間入りしをてしまいそうですが、この続きは修理の記録で紹介しようと思います。 ほんとうに、この密かで怪しい道に入り込んでしまうような気がしました。

1ヶ月半ほどかかり、一生懸命レストアし、整備して1986年3月28日、めでたく車検合格しました。
熊谷 56 む 59−16
走行 65,353Kmのこの車は、はれて埼玉のナンバーをいただきました。

今後に続く・・・。      


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